二人の諭吉と八つの栄誉と新宿の夜にただ一人。

今回から個人では更新が追いつかないため、匿名を条件に寄稿された記事も公開していきます。今回はペンネーム「かにかす、」さんの記事をご紹介します。

はじめまして、かにかす、です。この度はご縁がありmobile-gへ寄稿する運びとなりました。前置きが長くても誰も読まないので、さっそく記事へ入りましょう。

あれは2年前の秋でした。田舎者の小生は都会への憧れがあり、一人旅を画策していたのですがいかんせん金欠と言うこともあり、交通手段は高速バスを使い宿泊先はカプセルホテルでした。

新宿区のとあるカプセルホテルへ宿泊したのですが、夜間は客引きが所狭しとならんでおりまして、「遊びませんか?」とか「可愛い娘いますよ」なんて声が飛び交っていたのを今でも覚えています。

絢爛豪華なネオンライト、町ゆく煌びやかな衣装に身を包んだ女性達へ惑わされたのか、小生はちょっとした行動ミスをしてしまいます。

「ひとっ風呂、浴びようかな…」と思った私は、カプセルホテルにある大浴場へなどへは目もくれず、風呂屋をGoogle検索していました。

ふむ、近くにそれなりに良いお値段のお風呂屋があるんだね。都会にもこんな場所があるんだな。なんて思いながら一つウエのオトコになるかなんて新宿区で決意した小生は一軒の風呂屋へ急ぎました。

こぢんまりとした入り口の前へ近づくと一人の男性へ声を掛けられます。

「お兄さん、○○(風呂屋の名前です)のお客様ですか?ご予約されていないようでしたらただいま満室ですので系列の別店舗へご案内という状況なのですが…。」

小生、田舎から出てきたばかりでして都会の風呂屋は予約制なのかとうなずきながら予約していない旨を伝えます。素直に系列店とやらへのご案内を受けたわけです。ここが一つの過ち。二人の諭吉もお前のことなど見ていられるかと言わんばかりに小生を見放しました。

「系列店はデリバリータイプでして、ホテルの部屋へご案内致します。」と言われ、ホテルへと誘われた小生。そのときは気がついていませんでした。そのホテルは風呂屋でもなんでもありません。まさに蜘蛛の巣であったと言うことを。

諭吉との自業自得で悲しい別れを果たしつつも、息子は臨戦奮闘の四字熟語が当てはまらんばかりにやる気を見せつけており、ただお風呂屋のスタッフを部屋で待っていました。

スタッフは聞いていた話とは少し違っており、モダンなガールではなくフィリピンなガールが来たわけですがそんなことはさておき風呂で息抜きしたい私。そこで衝撃の事実を告げられます。

「始める前に料金」

料金??????さっきの人に払ったよね?ねぇ?なんて話をしていたら、ホテルからいったんさよならバイバイ、薄暗い路地へ連れて行かれ、風呂屋のスタッフを管轄する男性と小一時間ほどお話をしました。

結局、解決はせず。お金を持っていなかった私はとりあえずこれはヤバいと言うことを察しました。逃げねばと思った小生は男へ「拙者、宿泊所へ金を忘れ候。暫く、お待ち頂きたい。」と伝えたところ。「分かった。ケータイを預かるから取ってこい」と言われました。

鞄をあさり、メインのSIMが挿さって無くて、価値の低い携帯をとっさに判断し、男へ渡して小生はホテルへ逃げ去りました。翌朝6時、予定よりも早かった物の、新宿という怖い街にこれ以上いれるかと逃げ去りました。

あの男は闇夜と私の八つの栄誉と共に消え去り、新宿は朝を迎えた頃でした。

文:かにかす、/編集:mobile-g 編集部。

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以上。いかがだったでしょうか。新宿のソープランドで遊ぼうとした結果、客引きに騙され2万円とhonor 8を失ったかにかす、さんの体験談でした。