それはまるで風呂のようなサウナのような。【お風呂体験記前編】

東京というのは不思議な町だ。来る度に道が増えたり、消えたりしてるんじゃないだろうか。そう感じるほど、いつ来ても迷子になる。

迷子の理由を都会のせいにしながら、早朝の新宿に降り立った。天気は良くも悪くもない曇りだった。仙台からたった5時間、夜行バスから追い出された先の新宿という街は、幸先が良いとはいえなさそうな微妙な雰囲気を醸し出していた。 

あぁ、そうだった。道が変わっても建物が変わっても、新宿の空というものはいつも変わらない。冷たく小生を見下ろしているのだ。あのときも、早朝に逃げるようにこの街を発った。いつ歩いても人が絶えないこの街でスマートフォンを失ってから早くも3年の月日が経とうとしている。

3年間で何回東京へ来たのかは分からないが、それでも新宿という街に来る度にあのときのトラウマがフラッシュバックするのだ。フィリピンという単語を聞く度に、あの街が、あの女が、あの日の恐怖が、まるで大阪環状線のようにぐるぐると駆け巡る。いや、そこは山手線じゃ無いのかよ。

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バスタ新宿から迷うこと数分、新宿駅前へたどり着いた。平日の6時近い中だったが人はほとんど居なかった。それがあの疫病のせいなのかは分からないが、嵐の前の静けさトはまさにこのことなのではないだろうか。

夜行バスから降りて早速行動をするのは素人の考えだ。己が思っている以上に身体は疲れている。なのでまずは軽い休息を挟むのが個人的な旅のルーティンである。この休息を挟むことで、新幹線で1~2時間座って即行動!よりも良いコンディションで旅のスタートを迎えられるだろう。

最低限シャワーは必須。あの空間で人はかなりの汗をかくのだ。着替えも出来れば尚良いだろう。ここにサウナが加わればこれ以上の良い休息はない。

今回は軽く寝たかったということもあり、個室ビデオに来た。大事なことなのであえて直接的に言うが個室ビデオ内では一切自慰をしなかった。AVをBGMにグッスリと寝て、シャワーを浴びて、食べ放題のカレーと牛丼を軽く食べた。味は正直安いレトルトの域を超えることの出来ないチープな味だったが、個室ビデオの雰囲気が最高のスパイスとなってどんな名店にも出せない逸品に感じた。多分それは七味でもガラムマサラでもない。底辺感というスパイスだ。ただそれが良い。

2~3時間ほど眠ってしまったようで、気がつけばランチタイムと呼ばれるような時間になっていた。その後は家電量販店で軽く買い物をしたり、契約したり、別の家電量販店へ行ったりと大忙しだった。東京まですることなのかと問われると困るのでそこだけは聞かないで欲しい。

時は来た。秋葉原から上野を超えてそして辿り着いたその駅の名は日暮里。正直初めて降り立つ駅だ。そもそも、日暮里に対するイメージというものが沸かない。多分クソ田舎何だろうなぁ…なんて考えたがそんなわけは無い。そりゃそうだ。山手線の駅なんだもの。

どことなく異色な雰囲気を醸し出すわけでも無く、都会過ぎない都会へ降り立った。辺りを見回す。車を探す。事前に聞いていた車のナンバーは…

少し見回せばすぐ分かった。大きな車にビシッとしたブラックのスーツが決まった男性。目が合う、ただそれだけで互いに言いたいことが分かるのだ。男のコミュニケーションである。○時の○○ですと告げると、男は多く語ることは無くでは車内へどうぞ、とただそれだけである。男のコミュニケーションである。

天井が高く、余裕のあるその車内はどこかヒンヤリとした空気が漂っていた。車の窓は開いていて、差し込む日の光は少し眩しかった。広々とした車内にスーツ姿の男が二人。簡単な世間話をするわけでも無く、ただ単に予約の内容を確認したり、換気のために窓を開けっぱなしにしている旨を伝えた程度で車はゆっくりと動き出した。

車窓をただただ眺める。今はスマホではない気がしたからだ。東京都内という煌びやかな街のイメージとは少し離れた個人のお店が並ぶ通りを車は颯爽と過ぎていく。早くも無く、遅くもないその移動スピードは、もしかしたら緊張感を抑えるための配慮だったのかもしれない。

もうまもなく店の前に到着いたしますので…。とブラックスーツの男は告げた。車窓はいつの間にか料金が掲示された店が多い通りへと入っていた。この独特な雰囲気が興奮を醒めさせない。今でも思い出せる。そして車は昭和チックで小ぎれいな建物の前へ止まった。オートドアが静かに開いた。男がそれではどうぞと告げた。小生は新たな一歩を踏み出した。そう、今まで逃げてきたソレと小生はぶつかりに行くことを決意したのだ。この異様な雰囲気を醸す街へ足を一歩一歩と進めていく。店のドアをブラックスーツの男が開ける。

「○○様ですね。お待ちしておりました。」嘘でも本当でも嬉しい言葉じゃないか。待ってくれる人が居るのだ。これこそ愛では無かろうか。

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社長よりも偉いらしい人に言われた「君は逃げ癖があるんじゃないか、逃げているんじゃ無いか」というあの言葉を聞いて以来、頭から離れなかった。どうせなら一発ぶつかってみようじゃ無いか。逃げてきたソレに熱い一発を。ただその一心だった。

多分、あのとき偉い人は「本番」から逃げるなと伝えたかったんだろう。ただし本番に立ち向かえない小生へのアツいエールだったのかもしれない。そう思うと、この会社のことがもっともっと好きになれた。

そして、今。小生は本番に感じている恐怖感をぶち壊すため、話題の感染症云々を無視して東京都へ来たのだ。もちろん、これは良いことではない。県を跨いだ不要不急の移動はまだしばらく控えなければならないからだ。しかし、そんなことよりも大事なことがある。きっと、これも大事なことの一つなのだ。リスクを冒したものだけが高いリターンを得ることが出来るのだから。と己へ言い聞かせながら、かの有名な町へいよいよ降り立ったのである。

人々はその町を吉原と呼ぶ。吉原という場所はある意味で有名な場所である。歴史を調べればそれはそれはとても長いWikipediaの記事を読むことが出来るので是非とも手空き時に読んでみて欲しい。ちなみに、小生はそれを数行読んだら飽きたので読むのをやめた。なるほど、これが逃げ癖ってやつなのかと実感することが出来た。

そんな長くて面白みのないWikipediaのような前置きはさて置いて、単刀直入に言おう。今回、東京へ行った理由は某メーカーの製品を安価に購入するためではなく、吉原の高級ソープ店で本番をして童貞を捨てるというのが主題である。童貞を捨てた彼が見た世界はどうなるのか。刮目せよ。

店の中はどこか薄暗く、しかし澄んだ空気が流れていた。この2つは流石にミスマッチなのでは?とどこか頭の中でツッコミを入れる人が現れたような気がする。ようやく正気を取り戻したのだ。

いかんせん、この空間は緊張する。人生初めてのソープなのだ。。。と書こうと思ったが実は2回目である。童貞って嘘だったのかよ!クソ記事だな!拝読やめます!とついったに共有する前に少し待って欲しい。童貞って何なのかということをまず調べてみよう。

goo辞書には"まだ異性と肉体関係をもったことがないこと。また、その人。ふつう男性にいう。"と記載されていた。肉体関係を異性と持ったことがないのか?その答えはのである。辞書記載の意味で考えれば確かに小生は童貞ではないのかもしれない。世間一般で言われる"素人童貞"というのが最も最適な意味なのではないだろうか。

しかし、肉体関係という単語も曖昧ではないか。どこからどこまでが肉体関係の一言でまとめられるのかということである。例えばネット辞書の王者Wikipediaには性風俗店での性行為は金銭授受を目的としている故に、肉体関係と称さないという見解が記されている。(もっとも、このWikipediaの記事には要出展のタグが貼られている状態だったので鵜呑みにするのも良くない。)

長々とこんな価値のないテキストで記事の文字数を水増しするのも限界があるので小生なりの見解を示すと

・挿入してフィニッシュ!→非童貞

・挿入で気持ちよくなれず、陰部以外でフィニッシュ→童貞維持

なのではないかと考えている。手や口でのフィニッシュは本番ではないからである。要は本番で射精に至らなければ童貞はキープされるというのが、当ブログにおける童貞の意味である。

そして、小生は本番に弱い。詳しくは過去記事を参照して欲しいのだがここ最近のフィニッシュは右乳首を舐められながらローション手コキで…が多い。本番でイった経験がないのである。なんなら素股でもフェラでもイけなかったことすらある。泣く泣く嬢がホテルから出た後にオナニーをした悲しき体験談だって持っている。

何が悪くて、本番でイけないのだろうか。個人的には下記の理由が挙げられる

・普段の自慰の方法が悪い

・ゴム付きでしている為、刺激が弱い

・陰茎が短い為、容易に抜ける

・(デリヘルでは)本来NGの本番をすることに対する(怖い人が来るのではないかという)緊張感

・そもそも、金の事しか考えずに本番を逆強要する嬢への呆れ

といった感じだろうか。肉体的にも精神的にも達せない理由が挙がるのである。

中編に続く